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「関係ー植物・HIROSHIMAのタンポポ」1995年(左)、「1995年のHIROSHIMAのタンポポ」2024年(右) ©Tatsuo Kawaguchi
河口龍夫「再考−HIROSHIMAのタンポポ」
会期:2024年7月17日(水)〜 2024年8月24日(土)13:00 - 19:00
*日・月・火・祝日は休廊
*夏季休廊:2024年8月14日(水)〜 2024年8月17日(土)
*8月6日(火)平和記念日は開場いたします。
会場:SNOW Contemporary / 東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
オープニングレセプション:2024年5月31日(金)17:00 - 19:00

SNOW Contemporaryでは2024年7月17日(水)から8月24日(土)まで、河口龍夫の個展「再考−HIROSHIMAのタンポポ」を開催いたします。

1940年兵庫県生まれの河口龍夫はエネルギー、時間、生命、宇宙など、さまざまな要素を主題に、それらの「関係」性をテーマに制作を行っています。その作品群は、植物や水、空気などの自然をベースにした素材に、鉛や鉄といった金属を組み合わせたり、制作過程に加熱や腐食を用いるなど、既存のメディアや表現形式に捉われることなく、独自の表現方法で発表してきました。

1960年代から作品の発表を始め、65年には神戸在住の作家らとグループ<位>を結成。「人間と物質」展(1970)や「第8回パリ・ビエンナーレ」(1973)、そしてポンピドウー・センターで開催された「大地の魔術師」展(1989)などに出品し、国際的に高い評価を受けています。1982年には「関係−種子」シリーズを開始。当初、河口は植物の種子を銅で覆う作品を制作していましたが、1986年のチェルノブイリ原発事故後、銅に代わり放射線を遮る鉛を用いるようになりました。チェルノブイリ原発事故と同年に河口は、「関係―種子」(1986)において170種以上の種を鉛で封印しました。

河口は1995年に広島市現代美術館で行われた「被爆50周年記念展 ヒロシマ以後 現代美術からのメッセージ」で展示された〈関係―鉛の温室・HIROSHIMAのタンポポ〉の制作の過程において、人間がつくった原子爆弾に被爆した猫や犬、野鳥や草花といった人間以外の生物に目を向けるようになりました。そのメタファーとして誰もが知っているタンポポを作品のモチーフとして選んだのです。〈HIROSHIMAのタンポポ〉は戦後50年の時を生き抜いて生息していたタンポポを採集し、タンポポの大きさに合わせて鉛板を二枚矩形に切断し、綿毛になった種子を持ったタンポポをその二枚の鉛板の間に挟み込んで覆い保護するという発想で作品化されました。

本展では、上記作品と同時期に鉛で制作された〈関係ー植物・HIROSHIMAのタンポポ〉と、新作ドローイング〈1995年のHIROSHIMAのタンポポ〉など、約20点を展示いたします。

「HIROSHIMAのタンポポ」シリーズならびに現代美術作家・河口龍夫の現在地をご覧いただく貴重な機会となりますので、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。


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